終戦記念日。
朝食の後、引越しのため病院が用意してくれた紙袋に荷物を詰める。紙袋6枚ほどを要する。
執刀医のT先生の回診。昨日撮影したレントゲン写真を見せてもらう。まだ骨癒合はほとんど進んでおらず、術後4週目の診断までは荷重をかけてはいけないとのこと。
隣のベッドで人工腎臓と脊椎手術の治療をしていたT本さんが今日退院するらしい。これから透析にいって、戻ってくるのは2時を過ぎるので、そのときにはもう転棟して会えないからと挨拶を交わす。重病で完全回復の見込みのないT本さんの横でまた自転車に乗れることを願っていると看護師に話していたけれど、腰椎のブロックを2つ抜いて歩くことも儘ならず週3回の透析を続けなければならないT本さんは、そんな会話をどういう風に聞いていただろうと思って看護師にその話をするのはやめたけれど、看護学生はそういう遠慮をせずに今日も「早く自転車に乗れるようになるといいですね」と励ましてくれる。学生に悪意は無いけれど、回復の見込みのない患者の横でそういう話はどうかなと思うのは神経質すぎるか?
T本さんが透析に出かけた後、うつらうつら午前の時間を過ごす。
11時ごろに理学療法士のM先生が呼びに来る。病棟が変わると、担当の理学療法士も変わるとの事で今日が最後になりますとのこと。右足のストレッチ、右足の可動域を拡大するための運動、左足のバランススクワットと踵立ち、松葉杖の歩行訓練。じんわり汗が出る。
リハビリセンターから戻ってきたら、ちょうど正午、家内と娘が病室に居た。洗濯物の引換に来て、これから実家の父の見舞いに行き、夕方また戻るという。
正午から30分間の入浴の予約がしてあったので、シャワールームへ。看護学生の介助を受けながら脱衣。昨日に引き続き全身をシャンプーと石鹸で洗い流す。直前のリハビリの汗を流す。
シャワー室から戻ると看護学生が昼食を暖めなおしてくれると一旦配膳を引き上げる。その間、今日の担当看護師が引き出しに忘れ物が無いかのチェック。主任看護師が、風呂上りの擦過傷のシールに異常が無いかどうかを確認。少し痒かったので無意識に強くこすってしまったけれど特に異常なしとのこと。
昼食を済ませて、新聞を流し読み。
1時20分にリハビリセンターへ向かう。
作業療法士のY先生も今日で担当を外れますとあいさつ。握力グリップやダンベルやゴムチューブを使った連日の上半身の運動、片足立ちで床の筒にボールの乗せる運動をこなしている内に転棟予定時刻の2時を少し過ぎる。
病室に戻ると袋にまとめた荷物はワゴンの上に乗せられていた。靴をスリッパに履き替え、回復期リハビリ病棟へ移動。
今まで、救急搬送から手術、そして入浴ができるまでの3週間、献身的な看護をしてくれた急性期病棟の詰所でお礼の挨拶。先ほどシールの点検をしてくれた看護主任も部屋の奥から出てきてくれて激励してくれた。
車椅子でリハビリ病棟に移動。新しい部屋は4人部屋。西向きに大きく開いたガラス窓のゆったりと明るい部屋。その窓際のベッドに案内される。京都東インターから出てくる車の列、国道1号線や西大津バイパスに向かう車の列がよく見える。
新しい病棟の看護師にフロアの案内をしてもらう。トイレ、風呂、休憩所、看護師詰所。休憩所は食堂にもなるところで、これまでは病室のベッドのオーバーテーブルか、ベッドの横にあるラックの引き出しテーブルで食べていたけれども、自立訓練の意味もあって食堂で食事をすることになるということ。
紙袋の荷物を降ろし袋から着替えやタオル、そのほかの荷物をベッドの横の棚に移動。
夕方、新しく担当となる理学療法士と作業療法士が挨拶に来る。自立の度合いを見るためベッドから車椅子への移動、トイレでの動作を確認したいとのこと。
ベッドから車椅子への移動も、車椅子から便座への移動も普通よりも離れた場所から行っているらしく、「強引ですね」とからかわれる。
移動するときのベッドと車椅子の位置関係、車椅子と便座との位置関係で楽なポジションはこうですからと教えてもらう。
楽に移動できるポジションは確かにあまり意識をしたことは無かったけれど、強引と言われたのは意外だった。
事故の経緯や、これまでのリハビリ記録からも「強引な性格」という評価がついていたらしく、それを確認できましたという。意外だけれど、客観的にはそうなのかもしれない。「反省します」と素直に受入れた。
その二人ともが日曜日と月曜日は休みになるということなので、日曜日のリハビリは休み、月曜日のリハビリは今日、「お世話になりました」と挨拶した理学療法士が代理を勤めるとの事。
夕方、家内と娘が再来。洗濯物を置いていく。娘の修士論文のテーマを初めて聞く。
5時半、看護師が呼びに来てくれる。5時過ぎに配膳は済むので、明日からは自分で時間を見計らってきて欲しいとのこと。
8人掛けのテーブルのいちばん端が指定席となっていた。挨拶をして食事を始める。
食後、ベッドに戻り、コンビニで購入したチーズとヨーグルトと牛乳。
右足に荷重をかけられるようになるまで、全身の運動能力が衰えないようこの部屋を拠点にリハビリが続く。
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